こんにちは、カナリアンホテル支配人の藍井瑛です。
春――この季節が訪れるたびに、私たちは何かに導かれるように桜を求めて旅に出ます。
今回のILKO EXTREMEは、その象徴とも言えるイベントとなりました。
今回のテーマは「THE SAKURA」。
4月11日から13日までの3日間、山梨・長野の名桜を巡りながら、イルコさん、香菜子さん、そして参加者の皆さまとともに、Run & Gunスタイルで撮影と出会いを繰り返す旅となりました。

1日目|王道の桜たちと出会う日
集合は山梨・韮崎駅。青空のもと、春風が頬をなでる中、最初に訪れたのは「わに塚の一本桜」。田園の中にぽつりと立つ一本の桜は、まるで長年ここで空を見つめてきたかのような風格を放ちます。山々を背景に広がるその姿に、皆が静かに見惚れていたのが印象的でした。
続いて、桜の中でも“御三家” に数えられる、日本三大桜の一つ「山高神代桜」へ。樹齢2000年とも言われるこの桜は、まさに生きる歴史そのもの。その幹のひび割れや曲線に、時代を超えて咲き続ける生命力を感じずにはいられません。
次に向かった「眞原さねはら桜並木」では、延々と続くソメイヨシノのトンネルが、午後の柔らかい日差しを浴びて、まるで夢の中のよう。人の気配も少なく、桜の下でゆったりとした時間が流れていました。
そして夕方、訪れたのは「長坂牛池」。池越しに見える桜と、南アルプスの稜線に沈む夕日がちょうど重なり、まさに一日の締めくくりにふさわしい風景でした。遊歩道にはまだ雪が残っていて降りられなかったものの、遠くからでもその美しさは十分伝わってきました。

2日目|偶然の出会いが導いた、春の丘
伊那方面へ向かう途中、偶然立ち寄った「宮川河川敷」。満開の桜並木が続く遊歩道には、多くの地元の方が訪れ、春の賑わいとぬくもりに満ちていました。朝の柔らかい光の中、参加者それぞれが自由に歩きながら撮影を楽しんでいたのが印象的でした。
その後、向かったのは「鉾持神社」の高台。ここからは遠くに高遠城址公園の桜を望むことができ、喧騒から離れた静かな視点で、広がる桜景色を切り取ることができました。
午後、偶然の発見がもうひとつ。「ポレポレの丘」と呼ばれる場所。地元の有志によって整備されたこの丘は、見渡す限りの菜の花と、周囲に咲き誇る桜の絶妙なコントラストが素晴らしい。思わず「ここで来年、ILKO CREATIVE CAMPを開催できたら」と思わせるような、そんな温かな場所でした。
3日目|雨と偶然、そして再会の桜
最終日は、岡谷市「横河河川敷」からスタート。
あいにくの雨模様でしたが、しっとりと濡れた桜もまた風情があり、皆傘を差しながら丁寧に構図を探していました。やがて雨が強まり、撮影を早めに切り上げて昼食休憩へ。
午後は快復を期待しながら高ボッチ山へ向かいましたが、登山道はまだ冬季通行止め。柔軟にルートを変更していたとき、イルコさんがふと車窓から見つけたのが「北熊井城址」でした。
登ってみると、誰もいない静かな丘に、満開の桜が風に揺れていました。
雨はあがったものの、空はどこかぼんやり。抜けるような青空は見られなかったものの、参加者たちはこの隠れた名所に感嘆し、思い思いにシャッターを切っていました。

後日談|撮り直した、完璧な空と桜
実はイベント終了の翌日、イルコさんと香菜子さんは、北熊井城址を再訪しました。天気は快晴、空は澄み切って青く、陽光は柔らかく、そして桜は昨日と変わらず満開――。
まさに「この景色を残しておきたかった」と思わせる、そんな完璧な光と色に満ちた撮影日和でした。

次に向けて|ILKO EXTREMEのかたち
今回のような“探す旅”―― Run & Gunスタイルで走り、光と風と桜を追いかけるようなイベントは、まさにILKO EXTREMEの真骨頂。
その一方で、もっと気軽に写真や創作を楽しめるILKO CREATIVE CAMPも、今後定期的に開催していく予定です。
次はどんな出会いが待っているでしょうか。
皆さまとまた、特別な時間を共有できることを心から楽しみにしています。