こんにちは、支配人の藍井瑛 (あいい えい)です。今回は少し変わった視点から、冬の魅力についてお伝えします。

●ブログ用カメラの思わぬ発見
ホテルのブログ撮影用に借りているカメラ、Canon EOS R6に取り付けたRF100mm F2.8 L MACRO IS USM。普段はこのマクロレンズをつけっぱなしにしていることが多いのですが、先日カメラを手に取ると、スタッフの誰かが撮影したらしい雪の結晶の写真が残されていました。
画面いっぱいに広がる六角形の結晶。繊細な枝分かれと、まるで彫刻のような精密さ。自然が作り出す芸術作品に、思わず見入ってしまいました。
●マクロの世界に広がる宇宙
北白樺高原の冬といえば、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しんだり、白銀の世界が作り出す美しいモノクロームの風景を眺めたりすることが定番です。広大な雪景色は確かに息をのむほどの美しさがあります。
でも、マクロレンズを通して見える目の前数センチの世界にも、同じくらい驚くべき美しさが隠されているのだと、その写真は教えてくれました。肉眼では単なる雪の粒にしか見えないものが、マクロレンズを通すと複雑で緻密な結晶構造を持つ小宇宙に変わるのです。
「同じ形の雪の結晶は二つとない」とよく言われますが、本当にその通りなのだと実感します。それぞれが個性的で、一つとして同じものはありません。自然の創造力に改めて感嘆します。
●違う視点で見る楽しさ
私たちは時々、視点を変えることを忘れてしまいがちです。遠くを見ることに慣れすぎて、すぐ近くの小さな驚きを見逃してしまう。このカメラの発見は、そんなことを思い出させてくれました。
目の前の雪。足跡をつけながら歩く雪。それらは単なる「雪」ではなく、無数の芸術作品の集合体なのです。そう考えると、雪の上を歩くことさえも少し特別な体験に感じられませんか?

さて、次は何を見つけましょう?
ところで、このカメラの発見により、ホテルのロビーには今、雪の結晶の写真を何枚か飾っています。お客様の目を楽しませるささやかな試みですが、意外と好評です。「まるで宝石みたい」「こんな複雑な形だったなんて知らなかった」と、多くの方が足を止めて見入っています。

…と書いている今も、窓の外では雪が静かに降り続けています。一期一会の結晶たちが次々と地上に舞い降りる様子を見ながら、ふと思います。写真に収められた雪の結晶はもうとっくに溶けてなくなっているのに、その美しさはデータとして残り続ける。私たちの記憶もそれに似ているのかもしれません。
カナリアンホテル支配人 藍井瑛