Kanalianhotel

物価高騰の時代に、“とんでもなく美味しい” を届けるという決意

こんにちは、カナリアンホテル支配人の藍井 瑛 (あおい えい)です。
ここ数年、全国的に「光熱費と食材費の高騰」が深刻な話題となっていますが、私たちも例外ではありません。特にこの冬、長野の高地に位置する当ホテルでは、2度にわたる強烈な寒波に見舞われました。
その結果、12月から4月までの光熱水道費は毎月30万円超え。事業用の水道料金は家庭用の2倍に設定されており、別荘地にもかかわらず、都市部以上の負担となっています。

加えて、電気代は前年比で2倍以上、ガスもかつての「省エネでお得」というイメージを裏切るように、月額10万円を超えることもしばしば。これは、燃料費の高騰や円安、国際情勢の影響によるものでもあり、私たちの力だけではどうにもならない背景があるのです。

食材の価格も同様です。ごま油、オリーブオイル、国産バターはどれも50%以上の値上がり。卵、乳製品、米といった生活の基本となる食材も、理由はどうあれ「価格だけが高くなる」現象が続いています。

それでも、美味しい体験をあきらめたくないから。

こうした社会的な現実に直面しながら、私たちは考えました。

「どうせ値段が上がるなら、いっそ“とんでもない美味しさ” を届ける方向に振り切ろう」と。

その決断から、新たなディナープラン 「グリルプレミアム」と「グリルシグネチャーが誕生しました。
どちらも、名店・朝日屋様より取り寄せたA5ランクの松阪牛を贅沢に使用。特にシグネチャーコースでは、希少部位“シャトーブリアン” を200g。恐らく世界で一番安価にこの品質が味わえる宿泊施設だと、自負しています。

今こそ、「特別な一皿」が記憶になるように。

ちょうど今は、山の恵みが芽吹き始める季節。庭にはふきのとうが顔を出し、まもなくタラの芽、コシアブラ、こごみなども揃います。
北海道からは、春漁で活気づくズワイ蟹、帆立、甘エビ。いずれも、産地から直接仕入れているため、味・鮮度・香りすべてが別格です。

カナリアンホテルのレストラン「NATURAL NAVIGATE」では、 全国の本当に良いものだけを厳選し、身体にやさしく、記憶に残る料理を提供しています。
化学調味料は使わず、自然由来の調味料や出汁、本返しで味を整える。
油は国産ごま油・オーガニックオリーブオイル、乳製品や小麦粉も指定生産者のもの。
そして、お米はミシュラン三つ星店御用達の「雪椿」。すべてに、理由と背景があります。

世知辛い世の中だからこそ、「美味しさ」で癒されてほしい。

カナリアンホテルは、ただ食事を提供するだけの場所ではありません。
「食べることが、心と身体を整える時間になる」
そんな非日常のリズムと、滋味深い味わいを届けたいと、私たちは日々厨房に立っています。

物価が上がり、暮らしが少しずつ窮屈になっていく中でも、ここに来れば「豊かさとは、こういうことか」と思っていただけるような、小さな贅沢と深い記憶をお届けしたいのです。

皆さまのご来訪を、心よりお待ちしております。

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