こんにちは、カナリアンホテル支配人の藍井瑛です。
少しご無沙汰してしまいました。
カナリアンホテルにとって、一年でいちばん忙しい9日間、お盆の繁忙期が終わりました。
スキー場の目の前にあるホテルなので、「やっぱり冬がいちばん忙しいんでしょう?」と聞かれることがあります。
実は、いちばん多くのお客様にお越しいただくのは夏です。
標高1,365m。昼間はそれなりに暑くなる日もありますが、陽が落ちると空気が変わります。
今年のお盆も、日によっては朝晩かなり冷え込み、8月なのにストーブをつけました。
下界ではまだ猛暑のニュースが続いているのに、こちらでは暖房。
なんとも不思議なものです。
そして暦の上ではもう秋。
このところは朝晩だけではなく、日中でも肌寒く感じる日が出てきました。ストーブの出番も少しずつ増えています。
高原の夏は、本当に短いですね。

さて、お盆が終わって少し静かになったところですが、今年は9月のシルバーウィークも大型連休になります。
そこで今日は、少しだけ「繁忙期のホテルのお値段」のお話を。
旅行を調べていると、「えっ、いつもより高い……」と思うこと、ありますよね。
ホテル側にいる私が言うのもなんですが、私も旅行するときには同じことを思います(笑)。
需要が増えるから価格が上がる、という面ももちろんあります。ただ、実際に小さな宿を運営してみると、それだけではないことがよく分かりました。
繁忙期になると、宿は普段より多くの人を配置します。
チェックアウトが重なれば、一斉に客室を清掃して、次のお客様が到着するまでにすべてのお部屋を整えなければなりません。夕方になれば今度はキッチンとレストランが忙しくなり、翌朝には朝食があります。
人を減らせば経費は下がりますが、スタッフが回らなくなれば清掃や食事に遅れが出て、結局いちばんご迷惑をおかけするのはお客様です。
だから忙しい日ほど、人を厚くします。
当然、人件費は上がります。
満室になれば、リネン、食材、電気、ガス、水道なども一気に増えていきます。
つまり繁忙期は「たくさん売れる日」であると同時に、「たくさんお金が出ていく日」でもあるんですね。
少し古い統計ですが、観光庁が示している資料では、財務省「法人企業統計調査」をもとにした宿泊業全体の売上高営業利益率は3.7%。同じ資料で全産業平均は4.4%となっています。しかも資本金1,000万円未満の小規模な宿泊事業者に限ると、当時はマイナス5.8%でした。(国土交通省)
売上が100万円あっても、営業利益3万7千円。
もちろん時期や施設によって大きく違いますし、これは現在のカナリアンホテルの利益率という意味でもありません。それでも、「ホテルって満室ならずいぶん儲かるんでしょう?」というイメージとは、少し違う世界が見えてきます。
食材も、人件費も、光熱費も上がった今の日本。
連休の宿泊料金を見ると少し割高に感じられるかもしれませんが、その裏側では、全国のホテルや旅館の人たちが電卓を叩きながら、
「これで本当に合ってるのかな……」と青息吐息でやっているのかもしれません。
……なんだか久しぶりのブログなのに、少し愚痴っぽくなってしまいました(笑)。
お盆の9日間を終えて、カナリアンホテルも少しだけ静かな時間に戻ります。
そして、次にやってくるのは9月のシルバーウィーク。
その頃には北白樺高原の空気はさらに冷たくなり、夏とはまた違った景色になっているはずです。
少し暖かい服を一枚、荷物に加えてお越しください。
秋の高原で、また皆さまをお待ちしております。